2016年7月29日金曜日

【俳句新空間No.3】平成二十六年甲午俳句帖 [浅津大雅] /東影喜子



みづうみの底に日あたる涼しさよ 浅津大雅

湖の底は、何かそれだけで詩情を感じさせる題材である。底が見えるのだから、よほど澄み切った透明度の高い水なのだろう。幾筋もの日矢が差し込み、揺らぎながら夏の時間が過ぎていく。いつまでも見つめていたくなるその瞬間、自分の体も湖底にいるかのようにひんやりと涼しく感ぜられる。今年の夏も遠くに行きたいと思わされた作品。