俳句新空間 4x6
『俳句新空間』の「読む」シリーズ。 書評、句評を掲載していきます。
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2016年7月15日金曜日
【俳句新空間No.3】 前北かおるの句 / もてきまり
苔むして落葉の中のタイヤかな 前北かおる
題は「日光・湯西川」。古タイヤは再利用されよく小公園などで見かける。見ると落ち葉の中のタイヤが「苔むして」いた。キッチュな景の発見。他句に〈踏む人のなくて汚き霜柱〉句意は明瞭。「踏む人のなくて」というひねりが効いて、自然界「霜柱」を堂々と「汚き」と詠む。この眼差しはなかなかに貴重。嘱目吟とは不条理劇の一場にあるリアルさとどこか通ずるような気がする。
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