2016年10月14日金曜日

【俳句新空間No.3】 仲寒蝉の句 / もてきまり



民草のひれ伏す上を手毬歌 仲寒蝉
民草は民の震えるさま(おそれおののく)を、草に例えていう語。そのひれ伏す上を繰返される「手毬歌」。この手毬歌はピョンヤン放送、北京放送のようにも思えたが、ひれ伏すまではいかぬものの民草が萎びつつある某国のN□Kのようにも思えた。妙に怖い「手毬歌」。他句に〈若水を闇もろともに汲み上げぬ〉初詣の折に若水を柄杓で汲む。まだ明けやらぬので「闇もろともに」汲みあげた。この「闇」が戦前という闇に繋がらぬよう願うばかりだ。