2015年8月7日金曜日

【俳句新空間No.2】  津高里永子の句 7 / 仲寒蟬



不公平なるが神様西瓜切る 津高里永子
これも箸休めの句だが他の句とはいささか趣が違う。上後中七では神様の不公平を謗るものの決して強い口調ではない。むしろ投げやりで諦めの雰囲気が漂う。その証拠に下五には西瓜を切るという極めて日常的な行為が付く。なるほど西瓜も公平に切ろうとしたところで機械のようにきっちりとはいかない。