2015年8月4日火曜日

【俳句新空間No.2】  津高里永子の句 4 / 仲寒蟬



塀ぎはの紫陽花猫を濡らしけり 津高里永子
これはまた微妙な感覚の一句。塀際に植えてある紫陽花が少し前に降った雨のためまだ湿っている。猫は道の端や塀際を歩くので、紫陽花の葉に溜まった雫に触れ、濡れてしまうのだ。何気ない日常の一齣ではあるけれど、よほど注意して観察しないと中々こういう風には詠めないものだ。