2015年8月10日月曜日

【俳句新空間No.2】  神谷波の句――いきものたちと人間の時間 4 / 佐藤りえ


遠くまでゆく蟻近場ですます蟻 神谷波
「近場ですます」から、餌取りの行軍というより、巣穴から砂を持ちだし捨てにゆくところをイメージする。彼らは巣の養生をいつ果てるともなく続ける。邪魔にならないよう、砂を遠くへ捨てにゆくものとそうでないもの。賑やかな中にも異なるリズムのものが紛れ込んでいる。