2015年6月29日月曜日

【俳句新空間No.2】  神谷波の句――いきものたちと人間の時間 3 / 佐藤りえ


茅の輪くぐる宇宙遊泳の気分 神谷波
「夏越しの祓」の茅の輪のこととして読んだ。正しい作法に則ったくぐり方は、輪を中心として寝かせた8の字を描くようにまわるもので、地面に残る足跡はメビウスリングの様になる。神妙になって出入りを繰り返すうち、精神が逸脱していくような高揚感に包まれた様子がうかがえる。