俳句新空間 4x6
『俳句新空間』の「読む」シリーズ。 書評、句評を掲載していきます。
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2017年1月20日金曜日
【俳句新空間No.3】平成二十六年甲午俳句帖 [安里琉太] / 小野裕三
手花火に飽きて煙のなかにをり 安里琉太
ぽかんとした時空を詠んだ、ぽかんとした句。句の情報量はわりと少なくて、手花火から煙が出るのも、その煙の中に人がいるのも当たり前のことと言えるから、さらに加わる新しい情報と言えば「飽きた」くらいのことだ。しかし、このすかすかの情報密度が逆にいい。ぽかんとした気分と、それをとりまくぽかんとした時空が、ぽかんとした密度の情報形式にうまく反映されている。
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