2016年11月18日金曜日

【俳句新空間No.3】 福田葉子の句 / もてきまり


葱の鞭ときおり使う老婆いて 福田葉子
俳の象徴としての葱、それを用いての鞭。若い衆に使うのか自らに使う鞭なのか、たぶん両方に使っている。最近の老婆はとても老婆とは言えず、福田さんはもちろんのこと、金原まさ子さんはじめ、姿勢は良いしPCはこなすし、疲れた初老を凌ぐ。年を重ねることで世界の多様性に気付き自由になれる力というものがあるのではないかと最近思う。で、この鞭はけっこう痛い。他句に〈初蝶のかの一頭はダリの髭〉クールな銀の額縁に入れギャラリーに飾りたいくらい、おしゃれ。