枚方の叔母飼いたがる都鳥 羽村美和子
枚方の土地柄を筆者は残念ながら知らない。都会なのか田舎なのか?その地の叔母が鳥を飼いたいと言っている。不思議な句である。都鳥は果たして人が飼えるものかどうか筆者は知らないが、都鳥(=ユリカモメと筆者は解した)のイメージがこの句の決め手である。古くから歌謡や和歌に詠み込まれているイメージであろう。叔母についての詳細は句からは判明しないが、何やらいろいろと物語を勝手に作って読んでしまう。「飼いたがる」の意思表示が、単に掲句を叙景に終わらせないでいる。
「霧の花」【俳句新空間No.2】 2014(平成二十六)年[新春帖]所収